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【有田焼】天目銀滴付立皿(中)【井上萬二窯・井上祐希作】

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漆黒に刻まれる銀の閃光 — 天目銀滴付立皿が魅せる、食卓の現代建築美

作品について

デザインの詳解:静寂を切り裂く、銀の滴り 「付立皿(つけたてざら)」特有の、垂直に立ち上がった縁が描く端正な直線。そのシャープな造形を包み込むのは、吸い込まれるような深みを持つ天目釉の漆黒です。この静謐なキャンバスに、井上祐希氏は独自の「ドリッピング」技法で銀の滴を躍らせました。ある箇所は繊細な糸のように、ある箇所は力強い飛沫のように。漆黒と銀が織りなすコントラストは、まるで都会の夜景や、闇夜を切り裂く一筋の閃光のような、都会的で洗練された美しさを放っています。

技法の魅力:研ぎ澄まされた「形」と、奔放な「色彩」の対峙 本作の美しさの根幹は、人間国宝・井上萬二氏から受け継がれた、寸分の狂いもない「手ろくろ」と成形の技術にあります。付立皿というシンプルゆえに誤魔化しの効かないフォルムを完璧に作り上げ、そこに祐希氏の感性による「銀滴」を施す。伝統的な「和」の技法によって生み出された完璧な器に、現代アートを思わせるアプローチを加えることで、この皿は唯一無二の存在感を得ています。

暮らしへの提案:和モダンを極める、おもてなしの特等席 エッジの効いたこの皿は、料理を盛り付けた瞬間にその真価を発揮します。色鮮やかな刺身や、創作和食、あるいはモダンなフレンチの一皿。どんな料理も、その漆黒の地色が色彩を劇的に際立たせ、額装された絵画のように演出します。日常の食事を特別なひとときへ、そして大切なおもてなしを忘れられない体験へと昇華させてくれる、食卓の「主役」となる器です。

井上萬二窯・井上祐希について

歴史と格調:白磁の頂点、その伝統に新しい息吹を 有田焼の聖地で「白磁」の人間国宝として知られる井上萬二氏。その孫であり、三代目の志を継ぐ井上祐希氏は、名門「井上萬二窯」の看板を背負いながら、伝統のその先を見つめています。「名陶無雑(めいとうむざつ)」という、余計なものを削ぎ落とした究極の美学を土台に据えつつ、祐希氏はそこに自らの個性を吹き込み、有田焼の新しい歴史を刻んでいます。

職人のこだわり:時代を「装う」陶芸家としての矜持 「伝統とは、常に新しくなければならない」――祐希氏の創作活動の根底には、この強い想いがあります。ファッションやストリートカルチャーにも造詣が深い氏は、磁器を単なる伝統工芸品としてではなく、現代の感性に響く「表現」として捉えています。厳格な修業で培った職人としての技術を武器に、自らが今、最も美しいと感じるスタイルを形にする。その真摯な姿勢が、世代や国境を超えて多くの人々を惹きつけています。

様式美:静と動が共鳴する、新しい磁器の姿 井上萬二窯が大切にするのは、無駄のない洗練された「形」です。祐希氏はその「静」の造形に、ドリッピングという偶然性が生む「動」の要素を掛け合わせました。計算し尽くされた伝統のフォルムと、予測不能な銀の滴。その相反する要素が共存する姿こそが、現代における井上萬二窯の新しい様式美であり、次代へと繋がる美のあり方です。

この作品が選ばれる理由

唯一無二の価値:手に取る人だけが知る、一期一会の「景色」 「銀滴」の文様は、焼き上がりの温度、釉薬の粘度、そして作家のその瞬間の呼吸によって、二つと同じものは生まれません。お手元に届く皿に描かれた銀の景色は、世界にたった一つの「あなただけの作品」です。手仕事だからこそ宿るその唯一無二の表情を愛でる喜びは、暮らしを豊かに彩る特別な体験となるでしょう。

受け継がれる手仕事:一生を共にする、本物の価値 400年の歴史を持つ有田焼。その伝統の最前線を走る井上祐希氏の作品は、現代のライフスタイルにフィットするモダンさを持ちながら、数十年後も色褪せない普遍的な価値を秘めています。妥協のない職人技によって生み出されたこの皿は、使い込むほどに誇りを感じさせ、次世代へと受け継ぎたくなる「一生ものの器」としての重みを備えています。

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